うずらを飼うデメリット!飼育する前に必ず知るべき大切なこと
つぶらな瞳とコロンとしたフォルムがたまらなく可愛い「うずら」。最近ではペットとして飼う方も増え、「うずらとの暮らしに憧れる!」という方もいるのではないでしょうか。小さな体で卵を産んでくれたり、ひょこひょこ歩く姿に癒されたり、その魅力は尽きません。
しかし、どんなペットにも「可愛い」だけではない、飼い主さんが知っておくべき現実の側面があります。特にうずらを飼育する際には、事前に理解しておきたい大切なデメリットがいくつか存在します。後悔のない、そしてうずらにとっても幸せな共同生活を送るために、この記事でご紹介する3つの大きなポイントと、その他の注意点をしっかり把握しておきましょう!
うずらを飼う前に知るべき「現実」:主なデメリット3選
うずらとの楽しい生活を始める前に、特に意識してほしい3つのデメリットについて詳しく解説します。
1. 想像以上に響く「鳴き声」:特にオスの存在感!
「小さな鳥だから、声も小さいだろう」と思われがちですが、これが大きな誤解なんです。特にオスのうずらの鳴き声は、想像以上に大きく、そして頻繁です。
- どんな鳴き声? オスのうずらは、縄張りを主張したり、メスを呼んだりするために「クルックル、クックルー!」といった、かなり響く鳴き声を繰り返します。この鳴き声は、種類にもよりますが、遠くまで届くほど大きく、特に朝方や夕方によく鳴きます。
- 近隣トラブルのリスク: 集合住宅はもちろん、一戸建てでも、隣近所にまで鳴き声が届いてしまう可能性があります。騒音トラブルに発展することも考えられるため、飼育を検討する際は、家族だけでなく、近隣住民の方への配慮も不可欠です。
- 対策は?
- 性別の選択: 鳴き声が気になる場合は、鳴かないメスだけを飼うことを検討しましょう。ただし、卵を産む可能性があるため、その処理について考える必要があります。
- ケージの配置: 窓際など外に声が漏れやすい場所は避け、部屋の奥や、できるだけ防音効果のある壁際に配置する工夫も有効です。
- 簡易的な防音: ケージの周りを防音シートで囲ったり、厚手の布をかけたりすることで、多少は音を軽減できる場合があります。ただし、完全に音をシャットアウトするのは難しいことを理解しておきましょう。
2. 侮れない「臭い」問題:フンの掃除と衛生管理
うずらは体が小さい分、フンも小さいですが、その量は多く、そして独特の臭いがします。特に、消化器の特性上排出される「盲腸便(もうちょうべん)」は、通常のフンよりも柔らかく、強い悪臭を放つのが特徴です。
- なぜ臭う? 消化が早く、フンの排出頻度が高いため、ケージ内が汚れやすい傾向にあります。特に盲腸便は消化液が混じるため、通常のフンとは異なるツンとした臭いがします。
- 日々の掃除の重要性: 臭いを抑え、うずらの健康を守るためには、毎日の丁寧なケージ清掃が欠かせません。数日放置すると、悪臭が室内にこもり、コバエなどの害虫が発生する原因にもなります。
- 対策は?
- 床材の選び方: 消臭効果のあるウッドチップや紙製の床材、牧草などを利用すると良いでしょう。こまめに交換しやすいものを選ぶのがポイントです。
- 換気: ケージを置く部屋は、常に換気を心がけましょう。空気清浄機や消臭剤を併用するのも効果的です。
- 食事内容の見直し: フンの状態や臭いは、与えている餌によっても変化することがあります。バランスの取れた専用フードを与え、体調を良く保つことも臭い対策につながります。
- 部分洗い: 盲腸便を排出したら、すぐにその部分だけを取り除き、清潔を保つ習慣をつけましょう。
3. 意外な義務?「家畜伝染病予防法」に基づく届出
実は、うずらは「家畜伝染病予防法」という法律の対象となる「家きん」に分類されます。そのため、ペットとして飼育する場合でも、飼育開始時に各都道府県への届出(飼養衛生管理基準に基づく定期報告)が必要になる場合があります。これは、特定の伝染病が発生した際に、感染拡大を防ぐための情報把握を目的としています。
- 法律の目的: 鳥インフルエンザなどの伝染病が発生した際に、迅速な対応を取るため、飼育されている家きんの情報を国や自治体が把握しておくことが目的です。
- 届出の対象と方法: 飼育する羽数や都道府県の条例によって具体的な基準は異なりますが、1羽から届出が必要な自治体も存在します。 飼育を開始したら、まずは管轄の家畜保健衛生所や自治体の担当部署に問い合わせて、詳細を確認しましょう。
- 届出を怠ると? 届出義務があるにもかかわらず怠った場合、罰則が科せられる可能性もあります。可愛いペットを守るためにも、適切な手続きを行いましょう。
その他、飼育前に考慮したい大切なこと
上記3つの大きなデメリットの他にも、うずらを飼育する上で知っておきたいポイントがあります。
- 専門的なケアと病気のリスク: うずらは体が小さく、体調を崩しやすいデリケートな生き物です。異変に気づいても、診てくれる鳥専門の動物病院が少ない、といった問題に直面することもあります。日頃から健康状態をよく観察し、適切な飼育環境を整えることが重要です。
- 短い寿命と「お別れ」: うずらの平均寿命は2~3年と、他の一般的なペットに比べて短命です。可愛がれば可愛がるほど、別れはつらいもの。ペットロスへの心構えも必要になります。
- 脱走の危険性: うずらは小さく、意外と動きが素早いです。ケージの隙間から脱走してしまったり、地震などの際にケージが倒れて逃げ出してしまうリスクもあります。ケージの選び方や、非常時の対策も考慮しておきましょう。
- アレルギーの可能性: 鳥のフケや羽毛、排泄物などが原因で、飼い主さんや同居家族が鳥アレルギーを発症する可能性もゼロではありません。もし不安がある場合は、事前にアレルギー検査を受けてみるのも一つの方法です。
- 初期費用とランニングコスト: ケージ本体、餌入れ、水入れ、ヒーター(保温電球)、床材、餌など、初期投資が必要です。また、毎日の餌代や床材の費用、電気代(特に冬場のヒーター)といったランニングコストも発生します。
まとめ:うずらとの暮らしは、理解と覚悟から
うずらは、その愛らしい姿と仕草で、私たちにたくさんの癒やしを与えてくれる素敵なペットです。しかし、小さくても「命」ある存在である以上、飼い主さんにはその命を最後まで責任を持って守る義務があります。
鳴き声や臭いの問題、そして法的な義務といったデメリットをしっかり理解し、それらを受け入れて対策を講じる「覚悟」が、うずらとの幸せな共同生活には不可欠です。この記事が、あなたがうずらを飼育する決断をする上で、具体的なイメージを掴み、より良い選択をするための一助となれば幸いです。
可愛いだけじゃない、うずらの現実と向き合うことで、きっと素晴らしいパートナーシップが築けるはずですよ!