「雷が鳴ってるのに停電?!しかもブレーカー落ちてない…」その時どうする?
ゴロゴロ…ピカッ!突然の雷。家の中にいて「もしかして停電するかも?」とドキドキしながら電気の様子を伺っていたら、本当に電気が消えてしまった!でも、ブレーカーを確認しても、どれも落ちてない…。「あれ?どうして?」と、こんな経験はありませんか?
実は、雷による停電は、必ずしも家のブレーカーが落ちるわけではないんです。そんな「ブレーカーは無事なのに停電」という不思議な現象には、ちゃんと理由があります。この記事では、この謎を解き明かし、いざという時に慌てず対処できるよう、具体的な原因と取るべき行動、そして今後の対策まで、分かりやすく解説していきます。いざという時のために、ぜひ知っておいてくださいね。
1. 「ブレーカー落ちてないのに停電」なぜ起こる?その意外な理由
雷が原因で停電になったのに、家の分電盤にあるブレーカー(アンペアブレーカー、漏電ブレーカー、安全ブレーカーなど)がどれも落ちていない場合、一体何が起きているのでしょうか?主な原因は、あなたの家の外にあります。
1-1. 雷が家の外の送電設備に直撃!
一番考えられるのは、雷が電線や電柱、変圧器など、電力会社が管理している「送電設備」に落ちたケースです。
- 電線や電柱の損傷: 雷が直撃すると、電線が切れたり、電柱が倒れたりして、電気の供給が物理的に遮断されてしまいます。
- 変圧器の故障: 電柱の上などにある変圧器が雷によって故障すると、その先の地域に電気が送られなくなります。
- 瞬時電圧低下(瞬時停電): 落雷時に、広範囲への停電拡大を防ぐために、電力会社が一時的に送電線を電力系統から切り離すことがあります。この時、一瞬だけ電気が消える「瞬時停電」が発生し、すぐに復旧することも多いです。これは、電気系統を守るための安全装置が働いた結果なので、ブレーカーが落ちる必要がないのです。
これらの場合、あなたの家だけでなく、周辺の地域全体が停電している可能性が高いです。
1-2. 計画停電の場合もブレーカーは落ちない
雷とは直接関係ありませんが、電力会社が電線の点検や修理のために、事前に告知して行う「計画停電」の場合も、ブレーカーは落ちません。これは稀なケースですが、もし雷が鳴る前から停電の予告があった場合は、この可能性も考えられます。
2. 「ブレーカー無事なのに停電」その時どうする?落ち着いて取るべき行動
雷が鳴っていて、ブレーカーが落ちていないのに停電してしまったら、まずは慌てずに以下の行動をとりましょう。
2-1. 周囲の状況を確認する
- ご近所の様子を見る: 窓から外を見て、隣の家や近所の店舗の電気が消えているか確認してみましょう。もし周囲も停電しているようであれば、地域全体での停電の可能性が高いです。
- 停電情報を確認する: 電力会社のウェブサイトやX(旧Twitter)などのSNSで、停電情報が発表されていないか確認しましょう。地域ごとの停電状況や、復旧の見込み時間がわかる場合があります。
2-2. 安全確保のための準備をする
地域全体での停電の場合、いつ復旧するかは予測できません。復旧時の安全と、もしもの時に備えて以下の準備をしておきましょう。
- 家電の電源プラグを抜く: 停電から復旧した際に、急激な電流が流れる「突入電流(サージ)」で、家電製品が故障するリスクがあります。特に、発熱する家電(アイロン、ヒーターなど)や、モーターが動く家電(洗濯機、冷蔵庫など)は、火災や故障の原因になることがあるため、安全のためにコンセントからプラグを抜いておきましょう。
- ブレーカーを「切」にする(推奨): 停電中にすべてのブレーカーを「切」にしておくことで、電気が復旧した際の突入電流による家電への負担を軽減し、火災などの二次災害を防ぐことができます。
- 明かりを確保する: 懐中電灯やランタン、スマートフォンなどで明かりを確保しましょう。電池の残量も確認しておくと安心です。
2-3. 電力会社に連絡する
周囲の家も停電しており、電力会社のウェブサイトでも情報がない場合は、電力会社に連絡して状況を伝えてみましょう。復旧作業の進捗状況などを教えてくれることがあります。
3. 今後の対策!雷サージから大切な家電を守る方法
「ブレーカーは落ちない停電」とは少し異なりますが、雷の際に家電を守るために知っておきたいのが「雷サージ」対策です。雷サージとは、落雷によって発生する一時的な過電流や過電圧のこと。これが電線や電話線、アンテナ線などを伝って家の中に侵入し、家電製品を故障させてしまうことがあります。
ブレーカーが落ちない停電では家電自体は無事なことが多いですが、雷サージはブレーカーが落ちなくても家電にダメージを与えることがあります。
- 雷サージ対応の電源タップを使う: パソコンやテレビなど、精密な電子機器には、雷サージ吸収素子(バリスタ)が内蔵された電源タップを使うのがおすすめです。これにより、家電への被害を軽減できます。
- 落雷時はコンセントを抜く: 雷が鳴り始めたら、重要な家電製品のコンセントを抜いておくのが最も確実な対策です。特に、パソコンやルーターなど、常時接続している機器は、雷サージの影響を受けやすいので注意しましょう。
- 避雷器(SPD)の設置を検討する: 家全体の電気設備を雷サージから守る「避雷器(SPD: Surge Protective Device)」を分電盤に取り付ける方法もあります。専門業者による工事が必要ですが、広範囲にわたる保護が期待できます。
- 火災保険の確認: 万が一、雷サージで家電が故障した場合に備え、加入している火災保険が「家財」の補償対象になっているか、雷による被害も補償されるかを確認しておくと安心です。
4. まとめ:雷停電は冷静な対処が肝心!
雷による停電でブレーカーが落ちていない場合、それはあなたの家の外の電力設備に原因がある可能性が高いです。そんな時は、「あれ?」と戸惑うかもしれませんが、この記事を参考に、まずは落ち着いて周囲の状況を確認し、安全確保のための行動をとることが何よりも大切です。
そして、日頃から雷サージ対策をしておくことで、大切な家電を守ることができます。これからの季節、雷が増える時期に入ります。いざという時に慌てないよう、ぜひ今回の知識を役立ててくださいね!