ギョッ！生理で10cmの「血の塊」が出たら…子宮筋腫・内膜症のサインかも？病院に行くべき目安と対処法
生理中に、ドロッとした大きな「血の塊」が出ると、ギョッとして不安になりますよね。「これって大丈夫なの？」「もしかして、何か病気？」と心配になる方も多いでしょう。特に、その塊が10cmもの大きさだったら、なおさら驚いてしまいます。
Medicalookの婦人科医監修記事も参考に、今回は、生理中に大きな血の塊が出る原因から、注意すべき「子宮筋腫」や「子宮内膜症」といった病気の可能性、そして、病院を受診すべき目安や、日常生活でできる対処法までを詳しく解説します。生理の悩みは一人で抱え込まず、正しい知識を持って自分の体を守りましょう。
生理中の「血の塊」って何？なぜ出るの？
生理中に排出される血液は、実はサラサラの血液だけではありません。子宮内膜が剥がれ落ちたものや、経血がスムーズに排出されず子宮内で凝固したものも含まれます。
通常、生理の経血は、子宮内で固まらないようにする成分（線溶酵素）によってサラサラの状態を保っています。しかし、経血量が多い場合や、排出に時間がかかると、この酵素の働きが追いつかずに血が固まり、「血の塊（レバー状の塊）」として出てくることがあります。
数センチ程度の小さな塊は、生理の仕組みから見ても自然なことで、心配のない場合がほとんどです。しかし、塊の大きさや頻度、その他の症状によっては注意が必要です。
10cmの「血の塊」は要注意！考えられる病気の可能性
もし生理中に10cmもの大きな血の塊が出た場合は、単なる生理現象ではない可能性があります。特に、以下のような婦人科系の病気が隠れていることがあります。
子宮筋腫（しきゅうきんしゅ）:
子宮の筋肉にできる良性のコブ（腫瘍）です。良性ですが、大きくなると子宮が変形したり、経血量が増えたりします。
特徴的な症状: 過多月経（経血量が異常に多くなること）、激しい生理痛、頻尿、便秘、貧血など。子宮筋腫によって子宮内膜の表面積が増えたり、子宮の収縮が妨げられたりすることで、経血量が増え、大きな血の塊が出やすくなります。
子宮内膜症（しきゅうないまくしょう）:
子宮内膜に似た組織が、子宮以外の場所（卵巣、腹膜など）で増殖する病気です。
特徴的な症状: 強い生理痛、性交痛、排便痛、不妊症など。増殖した内膜組織も生理周期に合わせて出血するため、炎症や癒着が起こり、激しい痛みを伴います。経血量が増えることもあり、それに伴い血の塊が出やすくなることがあります。
子宮腺筋症（しきゅうせんきんしょう）:
子宮内膜組織が子宮の筋肉の中に入り込み、そこで増殖する病気です。子宮全体が硬く大きくなることがあります。
特徴的な症状: 非常に強い生理痛、過多月経、過長月経（生理期間が長くなること）、貧血など。子宮筋腫と症状が似ていますが、子宮全体が分厚くなるため、より生理痛がひどくなる傾向があります。
その他:
ポリープ: 子宮内膜にできる良性のイボ。
子宮頸管炎、子宮内膜炎: 細菌感染などによる炎症。
ホルモンバランスの乱れ: ストレスや不規則な生活、加齢などによるホルモンバランスの大きな変動も、経血量や塊に影響を与えることがあります。
これらの病気は、放置すると貧血が進行したり、不妊の原因になったりする可能性もあります。気になる症状がある場合は、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です。
病院に行くべき目安は？迷ったら受診が基本！
「このくらいなら大丈夫かな？」と自己判断せずに、以下の項目に当てはまる場合は、迷わず婦人科を受診しましょう。
10cm以上の大きな血の塊が頻繁に出る
生理の期間中、レバー状の塊が常に、あるいは頻繁に出続ける
経血量が異常に多いと感じる（昼間でも夜用ナプキンが必要、1時間おきにナプキンを交換するほどなど）
激しい生理痛がある（日常生活に支障が出るほど、鎮痛剤が効かない、生理痛が徐々にひどくなっているなど）
貧血の症状がある（めまい、立ちくらみ、息切れ、動悸、顔色が悪いなど）
生理期間が異常に長い（8日以上続くなど）
生理以外の出血がある
セックスや排便時に痛みがある
生理の周期が不安定になった
不妊に悩んでいる
特に、これまでと比べて急に症状が悪化したと感じる場合は、すぐに受診してください。
病院ではどんな検査をするの？
婦人科を受診すると、通常は以下のような検査が行われます。
問診: 生理の状況（周期、量、期間、生理痛の有無など）、既往歴、現在の症状などを詳しく聞かれます。
内診: 医師が視診や触診で子宮や卵巣の状態を確認します。
経腟超音波（エコー）検査: 子宮や卵巣の大きさ、筋腫や内膜症の有無、卵巣の状態などを詳しく確認できます。痛みの少ない検査で、多くの婦人科で導入されています。
血液検査: 貧血の有無や程度、ホルモンバランスなどを調べます。
その他: 必要に応じてMRI検査や子宮内膜生検などが行われることもあります。
生理中の血の塊と上手に付き合うための対処法
病気が見つかった場合は医師の指示に従うことが第一ですが、日常生活でできる工夫もあります。
体を冷やさない:
体が冷えると血行が悪くなり、経血が排出されにくくなって塊が出やすくなることがあります。腹巻きやカイロなどで下腹部を温めたり、温かい飲み物を摂ったりしましょう。
ストレスを溜めない:
ストレスはホルモンバランスを乱す原因になります。十分な睡眠、適度な運動、リラックスできる時間を作るなど、ストレスを上手に管理しましょう。
バランスの取れた食事:
鉄分（レバー、ほうれん草、ひじきなど）やビタミンC（緑黄色野菜、果物など）を積極的に摂り、貧血予防に努めましょう。また、体を温める食材や、血行を良くする食材（生姜、ネギなど）を取り入れるのも良いでしょう。
無理なダイエットは避ける:
過度なダイエットはホルモンバランスを崩し、生理不順や経血量の変化に繋がることがあります。
カフェインやアルコールの摂取を控える:
生理中は、カフェインやアルコールが体を冷やしたり、血管を収縮させたりする可能性があるため、摂取を控えめにしましょう。
ナプキン・タンポンのこまめな交換:
経血量が多い時は、ナプキンやタンポンをこまめに交換し、清潔を保ちましょう。夜用や多い日用のナプキンをうまく活用することも大切です。
まとめ：生理の異変は体のサイン！早めの受診で安心を
生理中の「血の塊」、特に10cmもの大きな塊は、体が発している大切なサインかもしれません。多くの場合、子宮筋腫や子宮内膜症といった病気が隠れている可能性があり、放置すると症状が悪化したり、他の健康問題に繋がったりすることもあります。
「生理だから仕方ない」と我慢せずに、少しでも気になる症状があれば、ためらわずに婦人科を受診しましょう。早期発見、早期治療が、あなたの心と体の健康を守る何よりの鍵となります。